CASE STUDY 01

検証① 売上約28倍。その間、何をしていたのか。

集客の相談から始まり、営業・資金調達・新規事業へ。
地域の建築系企業の経営者と、何を進めてきたのかを公開します。

公開

検証シリーズについて

技術の話ではなく、何をしたのかを見えるように。

LLMOってなに? AEO、GEO、MEO……なんだか流行っているらしい。そういう話ではなく、ちいさなローカルビジネスでも、WEBを起点に、実際のクライアントの伴走で何をしてきたのかをお話しします。

この数字の間に、何をしていたのか。今回は人件費も並べながら、伴走の中身をお話しします。

集客と売上検証シリーズ① 売上約28倍。何をしたかを説明します。経営数字と現場から、伴走の中身を検証する

私たちは、まず決算書から見ます。それが最初です。

事例は、創業間もない、労務提供型の建築系企業です。今回の数字は、中型補助金の申請のために提出した資料から、一部を使っています。

まず、数字を見てください

売上高・受注確定額(概数)
創業時(半年間)約1,174万円
2期目約2億3,338万円
3期目の8か月分約3億2,622万円
4期目(予測)約7億50万円
売上に占める人件費の割合
創業時(半年間)約3.0%
2期目約10.8%
3期目の8か月分約4.2%
4期目(予測)約4.0%
期間売上高・受注確定額人件費合計人件費率
創業時(半年間)約1,174万円約35万円約3.0%
2期目約2億3,338万円約2,528万円約10.8%
3期目の8か月分(補助金申請時)約3億2,622万円約1,360万円約4.2%
3期目の受注確定分(未納品分を含む)約5億円——
4期目(予測)約7億50万円2,800万円約4.0%
  • 人件費率は、資料の「労務費+販売費及び一般管理費の人件費」を、それぞれの期間の売上高で割った値です。表は概数、比率は元の金額から計算しています
  • 約5億円は未納品分を含む受注確定額で、上の売上実績に足す数字ではありません。この欄の人件費・比率は記載していません。4期目は予測です

創業時の半年間は、売上約1,174万円。3期目は、8か月の時点で約3億2,622万円になりました。金額で比べると、約28倍です。

人件費も見てください。2期目は、売上約2億3,338万円に対して、人件費は約2,528万円。3期目の8か月分は、売上約3億2,622万円に対して、人件費は約1,360万円です。

前期の売上を8か月で超えています。でも、人件費が同じように増えているわけではありません。売上に占める人件費の割合は、約10.8%から約4.2%に変わっています。

その間、何をしていたのか。今回はそこをお話しします。

※比較期間は異なります。3期目の年間人件費や外注費を含む結果は、期末まで引き続き確認します。

私の物差しになった、強烈な一言

私は大手メーカーの営業トップとして、全国の営業研修やクレーム対応にも関わってきました。

売るだけでは終わらないんですよね。本当に好き勝手にやらせてくれてありがたい。説明が伝わらないこともあれば、納得していただけないこともある。現場で対応してきたからこそ、深いノウハウになったと思っています。

その後、コンサルファームに通いながら大学にも行きました。ただ、関わるのは大手が中心。中小企業に本格的に関わったのは、30代になる少し前です。

ある小さな会社の、赤字の子会社の立て直しを頼まれました。そこで社長に言われたのが、

「1人当たりの売上高を2,500万円にしないと、人間扱いはしない」

強烈でしょう。20代のコンサルの私を指名してきたとはいえ、強烈でした。大手しか知らなかった私には、忘れられない一言でした。今なら、パワハラと言われるかもしれません。

悔しいから必死です。路面店でできる限りの施策を検証し続けました。その会社とは、独立してからも約25年のお付き合いになりました。感謝ですね。

言い方はともかく、「1人当たり、どれだけの売上をつくれる組織なのか」という見方は、私の中に残りました。起業してからも、基本の物差しの一つです。2,500万円という金額は、業種を問わず使う基準ではありません。

忙しくなったから、人を増やす。その前に、仕事の進め方を見直せないか。社長しかできない説明を、社員にもできる形にできないか。この見方は、無駄な組織設計をしないために、とても役立ちました。

だから、当社のLLMOは現場マネジメント付きです

AIに推薦された。その先で、問い合わせは来たのか。社員は説明できたのか。受注につながり、その仕事を無理なく進められたのか。現場まで一緒に見ます。

AIはまだ進化の途中です。特にAI推薦は、何が効いて、どれだけ受注につながったのか、測りにくいところがあります。

だから、問い合わせの経路を聞く。受注を追う。売上や人件費と照らし合わせる。分からないまま、成果が出たことにはしない。経営者の隣で、今できることを進めながら検証する。今回の会社でも、そうやって伴走してきました。

集客から営業・現場・経営数字まで、伴走で確認します。効果は、実施した時期と記録を照らして検証します。

伴走で、何をしているのか。見つけてもらう(市場分析・SEO・MEO・AI検索・LP・動画)→ 相談を受注へ(営業台本・説明資料・社内研修)→ 仕事を進める(役割と対応の確認・納品と入金の確認・必要な資金の準備)→ 数字で確かめる(売上・人件費・外注費、受注残・手元資金、実績と見込みを分ける)。結果を見て、次の仕事を見直す。
伴走で確認する範囲

階段の全体図 ― どの段階で、何をしたか

最初の担当は、LPなどのWEBの部分でした。そこから、営業、資金、新規事業へと関わりが広がりました。まず、全体を並べます。

6つの段階(それぞれ重なりながら進んでいます)
  1. 01土台当初から継続SEO・MEOの基本、市場分析の継続記録
  2. 02資産化①と並行して継続キーワードをもとに、LP・動画・Googleビジネスプロフィールの情報を整備
  3. 03AI対応2025年12月からLLMO・AIOへの対応
  4. 04顧客レイヤーの引き上げ2026年3月から営業台本、説明の注意事項、指導書2種、動画・ホワイトペーパー、社内研修の支援
  5. 05資金調達の再設計2026年必要な資金の検討。会社ではメインバンクを変更し、融資規模の引き上げが承認
  6. 06拡張2026年10月既存事業を支えながら新規事業を企画。経営数字を踏まえて、補助金活用の考え方と見積りを支援
段階確かめていること
① 土台探されている言葉と、実際に来る相談が合っているか
② 資産化検索・地図で見つかり、相談につながっているか
③ AI対応推薦の表示と、問い合わせ・受注へのつながりを、それぞれ確認
④ 顧客レイヤーの引き上げ大型案件の提案、支払い条件、受注残と納品の進み具合
⑤ 資金調達の再設計資材・外注費など、入金前の支払いに対応できるか
⑥ 拡張必要な投資、人員、採算。これから実績で検証

各段階は重なりながら進んでいます。2026年3月以降の取り組みは、2026年2月の決算の後です。その決算までの仕事と、その後の受注拡大に向けた仕事を分けて見てください。

業務委託も、任せ方まで設計します

固定の人件費を増やすのではなく、業務委託を活用して、仕事量に応じて動ける仕組みにしました。私が在宅ワーカー1万人を育成しながら、売上12億円を達成したときに使った仕組みです。

ただ、やみくもに外へ頼めばいいわけではありません。必要なのは、高いスキルと現場対応力、そしてリスク管理です。「作れます」「できます」だけでは、任せません。

建築でもITでも、外に任せたからといって、会社の責任がなくなるわけではありません。問題が起きたときに対応できるか。任せる範囲と責任を理解しているか。そこまで見ます。

人件費だけを抑えるのではなく、仕事の品質と責任を守りながら、必要な力を組み合わせる。そこまで含めて、仕組みを作っています。

段階① 土台 ― SEO・MEOは「基本」であり、基本は最も省略される

最初にお伝えしたいのは、この会社の成長の起点は、派手なものではなかったということです。SEO・MEOの基本を最初から実施し、市場分析を継続的に記録し続けた。これだけです。

継続記録の中身は、市場がどう動いているか、どの言葉が実際に使われているか、競合がどこで見えているか、地図検索でどう評価されているか。月次で記録するだけですが、記録がないと、後の段階のすべてが勘になります。キーワードの選定も、LPの優先順位も、AI対応の着手判断も、全部この記録の上に載ります。

  • 検証項目:選んだキーワードが、実際の需要(検索ボリュームと受注の結びつき)と一致しているか
  • 10月時点の判定:一致しています。根拠は、キーワード → 問い合わせ → 受注というつながりが、市場分析の記録の上で確認できること。逆に言えば、記録がなければ受注が来ても「なぜ来たか」が語れません

ここで間違えないでほしいことがあります。土台の段階では、成果は数字に出ません。SEO・MEOの基本は、実施してすぐ成果が出るものではなく、記録が積み上がって初めて、後の段階の判断材料になるものです。「3か月やったのに」という理由で基本を切る経営者が多すぎます。

ただ、土台をしっかりつくり、MEOと連携して動かしていると、3か月で見えてきます。動画もGoogleでは効きます。

エリアマーケティングの深さが、土台になる

私たちが支援する歯科医院やカフェでは、MEO導入前を100として、半年後に売上が130になった事例があります。約30%の増加です。

ただ、こちらは「ホームページは既にあるから」ということで、MEOとGoogleビジネスプロフィールの更新を中心に取り組んでいるケースです。

私から見ると、まだ地引き網の網を広げられる状態です。地域のお客様が何を調べ、何を比べ、どこで迷っているのか。それをホームページにも反映し、相談につながる入口を増やしていく。だから、最初に行うエリアマーケティングの深さが大切なのです。

最初は、エリアマーケティング。地域を調べる(何を調べる?何を比べる?どこで迷う?)→ 情報に反映する(ホームページ・Googleビジネスプロフィール・現場の説明)→ 相談につなげる(必要な情報・相談の入口・受付の対応)。調べたことを、集客と現場につなげる。

段階② 資産化 ― キーワードから「作り続ける」。ただし、止まることも含めて設計する

市場分析の記録があると、何を作るべきかに迷わなくなります。この会社では、キーワードからLP・動画・GBP(Googleビジネスプロフィール)を作り続けました。

ここで正直に言うべきことがあります。クライアントの現場が忙しすぎて、LPを作るのを止めた期間があります。伴走の現場では、予算や一次情報が足りない、忙しすぎるから今は止める、ということがあります。

だから、止まることも含めて設計する必要があります。資産化は「作り続けられる者が勝つ」のではなく、「止めても再開する規律がある者が勝つ」。市場分析の記録があれば、止まった後で「次に何を作るべきか」がすぐ分かるので、再開が早い。逆に、記録がない会社は止まったまま終わります。

また、記録があるからこそ、2か月前から素材を集める準備ができます。素材は一次情報です。そのため、「このシーズンのエリアのニーズはこれだけあるのに、今あげないと拾えない。もったいない」と説得するときもあります。

  • 検証項目:資産が積み上がり続けているか。検索・地図経由で選ばれ続けているか
  • 10月時点の判定:積み上がっています。LP・動画・GBPが互いに補い合う形で、検索結果と地図表示の面で安定して表示されています。止まった期間を挟んでも、資産は減らず、再開後すぐに積み上がりを再開しました

資産は止めても減らない。広告は止めるとゼロに戻る。この差が、後のAI対応を「ゼロから」ではなく「資産の上で」始められる理由になります。

段階③ AI対応 ― 2025年12月、「仕込む」という判断

ここが、この記事で最も伝えたい判断です。

2025年12月時点で、この会社の検索面の土台(SEO・MEO+資産)は回り始めていました。次にやるべきは、

  • (a) 土台をさらに厚くするのか
  • (b) 次の変化(AI検索)に手を打つのか

私は(b)を選びました。

理由は明確で、AI検索の参照元は、SEO・MEOで作った資産と深く重なるからです。AIが答えを組み立てるときに参照するのは、構造化された、根拠のある情報です。LP・動画・ホワイトペーパーが既にある会社は、AIにとって「引用しやすい会社」になっています。

つまりAI対策は、土台があって初めて低コストで効きます。逆に、土台のない会社がいきなり「AI対策」を買っても、参照される情報資産がなくて引用されません。

だから私は、この会社では「対策」という言葉を使わず、「仕込み」と言います。AI対策は、表示されるための施策ではなく、引用される資産を事前に置いておくことです。

2025年12月の着手は、市場分析の記録(段階①)が「AI経由の問い合わせが増え始める兆候」を捉えていたから説明できました。Googleとの付き合いも25年目ですので、戦い慣れてきています。

  • 検証項目:AI推薦(LLMO・AIO)が表示され、持続するか
  • 10月時点の判定:MEO・AIOでの推薦表示が、仕込みから約10か月間、継続して表示されています

さらに重要な、時系列の事実があります。AI推薦が受注につながり始めたのは、2026年3月からです。仕込み(2025年12月)の時点では、AI検索に表示されても、受注にはつながっていませんでした。

仕込みから約3か月後の3月、会社案内とトークスクリプトの整備と時期が重なる形で、

表示(可視化) → 問い合わせ → 受注

というつながりが現れ始めました。以降、受注へのつながりは続いています。

ただ、これも毎回ではありません。お客様がどのような聞き方をしたのか、用意した情報がいかにマッチするか、競合が対策を変えてきているか。つまり、動いています。作業の順番と、つながりの発生が一致している。それが、この検証の正確な記録です。

一瞬表示されて消えるのは、対策の失敗です。持続しているのは、引用に値する資産(LP・動画・GBP・後述のホワイトペーパー)が、構造として存在し続けているからです。

AI検索は参照元を継続的に見直します。その結果として選ばれ続けている、というのが、この検証の正確な表現です。また、動画は、ごくシンプルな説明動画と実績動画を置いています。

段階④ 顧客レイヤーの引き上げ ― 客単価と、支払いの確実性を上げる

土台と資産とAI対応がそろった2026年、次に動いたのは顧客レイヤーです。同じ受注でも、単価と支払いの確実性を上げる方向に寄せました。具体的には、2026年3月からの次の実装です。

  • トークスクリプトの作成と運用(現場スタッフがそのまま使える台本)
  • 法令違反をしないトークの整備(建築業は景品表示法・優良誤認のリスクが高い。線引きを先にしないと、スクリプトは法務リスクそのものになります)
  • 指導書2種(スタッフ向け=そのまま使える台本、経営者向け=判断の枠組み)
  • 2026年4月に動画とホワイトペーパーを設置、5月にスタッフ育成を完了して営業開始

目的は明確で、問い合わせの質を上げて、大型案件の受注を促進することです。問い合わせの数を増やすのではなく、問い合わせてくるお客様のレイヤーを上げる。大型案件ほど、提案の言語化の精度が受注を分けます。トークスクリプトは、その言語化を現場の全員に広げる道具です。

そして、建築業に特有の注意点が、支払いの確実性です。受注額が大きいほど、資材調達と施工の先行費用が重くなります。支払い条件の確実性が上がるお客様を選ぶことは、単価を上げることと同じくらい、この業種の利益に効きます。

売上高が増えても回収が重いと、資金繰りが成長の足を引っ張ります。だからこの会社は「客単価」と「支払いの確実性」をセットで引き上げました。

2,600社をサポートしていると、いろいろな相談に対応します。特に、銀行向けの事業計画書づくりに強い私には、切羽詰まった相談も何件かありました。

  • 検証項目:受注残と消化ペース(受注確定は、売上ではありません。納品のペースで計上されます)
  • 10月時点の判定:受注は確定しており、期の計画(前期比約1.5倍=約5億円)を残高ベースで満たす水準に達しています。消化ペースは月次で追跡しており、期末までに計画ラインを越える見通しです。増員は最小限に抑えられており、労務費率は約4.2%の水準を維持しています。人が売る分量を、仕組み(資産×トークの規律)が肩代わりしている状態が続いています

ここで正確であるべきは、効果の帰属の話です。この受注の伸びには、景気(中国人による不動産投資の減速に伴う、空室対策の需要という追い風の可能性を認めます)、既存顧客の資材計画、経営側の別の投資、そして私の施策が、全部混ざっています。

「トークスクリプトが受注を生んだ」とは言いません。ただし、構造的な変化が一つあります。集客は以前まで私一人に依存していましたが、スクリプトの整備で、FC・社員の営業スキルが底上げされ(スタッフさんの能力アップ)、現場の行動が結果に結びつくように変わったことです。営業・施工管理のスタッフは、業務委託化し、自立できるようになってきました。

運用の期間と受注の上向きが並行し、現場が統一された言葉で大型案件を提案できている。現時点の検証は、この相関と、因果を疑わない理由の列挙までです。くわしい限界は、記事の最後に挙げます。

段階⑤ 資金調達の再設計 ― メインバンクの変更

成長が段階④まで進むと、次に成長を止めるのは、営業でも現場でもなく、資金です。

受注残が増えるほど、資材調達と外注人件費の先行支出が膨らみ、売上の計上(納品ベース)との間に時間差が生まれます。成長の正体は「売上」ではなく、「運転資本の増加をまかなえるか」です。この会社は、その規模をまかなう融資枠を、元のメインバンクでは確保できませんでした。

私の経験からも、初期段階と成長段階では、必要な支援が違います。融資の規模も違います。そこでメインバンクを変更し、融資規模を引き上げました。融資は承認されています。数字も、納得していただける数字だったと思います。

この段階は、発信では最も省略されますが、伴走の実務では最重要です。決算書が見えていると、この判断が早くできます。売上が伸びる前に、資金繰りが伸びに追いつくかを先に判定しておく。

融資が通るのは、成長の実績(決算書)と、受注残という「未来の売上の在庫」の説明、そして返済計画の整合です。決算書を読めない伴走者は、この段階に到達した瞬間に手を出せません。

今は必要ではないけれど、この時に必要になる可能性があること。支払いサイトについても、契約前から交渉しておくことをお勧めしました。

  • 検証項目:資金繰りが、成長の足を引っ張っていないか
  • 10月時点の判定:融資規模の引き上げが承認され、大型案件の資材調達・外注人件費の先行支出をまかなえる体制が整っています。受注残の消化ペース(段階④)と融資の返済計画が整合しているかは、月次で追跡中です

段階⑥ 今期5億円の達成見込みと、10億円への新規事業企画

以上を積んだ結果が、今期です。

  • 今期(〜2027年2月):約5億円を達成見込み。受注は確定済みで、建築業の正規の収益認識(ワンフロアずつの納品で計上)に従って、期中に売上として消化されていきます。これは「予想」ではなく、受注残+消化ペースという管理指標から出てきた見込みです
  • 次期以降:10億円達成のための新規事業を企画済み。既存事業が5億円を安定して生み出す間に、新規事業が次の階段を積みます。FCの構築がその柱で、新規事業の単位経済(加盟店の獲得単価・回収期間・損益分岐となる加盟店数)は、企画段階から管理します

ここで最も大事なのは、10億円の計画が「5億円の安定」を前提にしていることです。土台がない会社がいきなり倍増計画を立てると、既存事業の土台ごと崩れます。この会社は、既存事業の受注残と消化ペースが安定しているからこそ、新規事業に手を広げられます。順番を守った階段の、次の一段です。

10億円へ、次の花びらを開く。整ってきた土台(良いチーム・職人の質を担保する体制)→ これから実装(FC展開・セールスファネル)→ 目指す成長(対応できる仕事を増やす・売上10億円を目指す)。仕事を受けられる体制から、集客・営業の拡大へ。
10億円は今後の目標です

では、ここからどうやって10億円を目指すのか。この会社には、まだ実装していないIT技術の「花びら」がいくつかあります。そろそろ、それを開いていく段階です。

労働集約型の事業ですから、仕事を増やすには、対応できる職人と、その仕事の質を担保する体制が必要です。今、良いチームができてきました。そこで次に、FC展開とセールスファネルを仕込んでいきます。お客様に知ってもらい、相談から受注につなげる流れを広げていくためです。

仕事を受けられる体制が整ったから、集客と営業をもう一段広げる。この順番で、10億円を目指します。

検証できなかったこと(ここが最も大事です)

AI時代のKPI設定には、揺らぎが出ます。検証できなかったものを挙げます。

因果の切り分け

段階④の受注の伸びには、外部の要因と社内の要因が混ざっています。外部では、中国人による不動産投資の減速に伴う空室対策の需要が、追い風になった可能性を認めます(営業の工夫だけで伸びたとは言いません)。社内では、大型案件の外注人件費をまかなう借り入れを事前に整備したことが、受注をこなしきる体力を支えました。

そのうえで、今回の伸びの核心はここです。集客は以前まで私一人に依存していたところを、スクリプトの整備でFC・社員の営業スキルが底上げされ、現場の行動が結果に結びついた。単独の効果を数値にすることはできませんが、「外部の追い風を認めたうえで、再現できる社内の要因は何だったか」を示すことが、切り分けの代わりの検証です。

施策ごとの効果の分離

もともとの2026年春の依頼範囲は、LP(WEB面)だけでした。しかし、スタッフやFCメンバーはこれまで営業をしてこなかったため、トークスクリプトを作り、経営者自身に社内研修を実施してもらう形に広げました。

施策が重なった時期に進んだため、LP・スクリプト・AI対応の個別の効果は分けられません。お客様の商機を犠牲にしてまで分離実験をするのは、伴走として正しくないと判断しました。分ける代わりに、導入の順番(LP → スクリプト・研修 → AIからの受注)を記録として残し、順番と結果の整合で語ることにしています。

利益率

利益率は業種によって水準が異なるため、比較の指標として使いません。この会社はFCを育成している時期であり、個別の利益率への言及は控えます。検証は期が閉じてから、収益計画どおりの構造の転換が起きたかで行います。新規事業では、この利益率を高めるための施策を実行します。

AI推薦の受注への寄与

推薦表示の継続は、約10か月確認できています。測定方法はシンプルで、問い合わせの際に「何を見てご連絡いただいたか」を確認しています。この記録の整理が進み次第、受注の何%に効いたかを改めて検証します。今は「仕組みがあり、記録が蓄積されている」段階です。

新規事業

詳細は秘密です(事業企画は私が担当しています)。公開できるのは方針だけです。資産化したもの同士が相乗効果を持ち、社会にとって有益なものにする方向性です。単位経済の実測はこれからで、この記事では検証の対象になりません。

ここも、バージョンアップしていきます。

AI推薦をチェックするシステムもありますが、それが決算書にどう響くのかは、まだまだです。中小企業は、いまそこに費用をかけずに、土台を整備するほうが先です。

再現の手順 ― 建築系・受注生産業での「階段」ののぼり方

保存用に、順番をまとめます。

  1. 土台:SEO・MEOの基本+市場分析の継続記録(記録がすべての判断材料になる)
  2. 資産化:キーワードからLP・動画・GBPを作り続ける。止まることを織り込んで、再開の規律を作る
  3. AI対応:土台の資産がある段階で「仕込み」として着手(2025年12月に相当)。引用される資産を事前に置く
  4. 顧客レイヤー:客単価+支払いの確実性をセットで引き上げる。トークスクリプト・法令トークの規律・指導書2種で現場を支える
  5. 資金調達:成長が運転資本に止められる前に、メインバンクを再設計する。決算書と受注残の説明で融資を取る
  6. 拡張:既存事業の安定を前提に、新規事業で次の階段を積む
  7. 各段階で検証項目を先に置き、期中に判定する

まとめ ― 順番を守った成長だけが、検証できる

  • 土台(SEO・MEO+記録)なしに、AI対応は効かない。効かないどころか、引用される素材が存在しない
  • 資産は止めても減らない。止まることを織り込んだ設計が、受注生産業の現実に合う
  • AI対策は「仕込み」。表示の持続(約10か月)が、構造として選ばれ続けている証拠
  • 客単価と支払いの確実性を、同時に上げる。この業種の利益は、単価と回収の二方向から来る
  • 資金調達の再設計は、営業と現場の次に来る段階。決算書を読める伴走者がいると、ここが早い
  • 10億円は、5億円の安定があって初めて積める階段

次回は、測定器の置き直し(KPIの再建)を、この会社の実測を続けて検証します。

この先も、数字と現場を見ていきます

会社の成長には、経営者の判断、現場の行動、市場の動きも関わっています。各施策だけの効果は、まだ切り分けられません。

だから、何をした時に、何が変わったかを残す。受注済みの仕事は、納品・売上計上まで追う。計画の数字は、実績になってから確かめる。うまくいったら終わり、ではないんですよね。次の期にも続くかを見ます。

こうした伴走を地域の会社にも届けられるようになったのは、AIのおかげでもあります。大手企業での新規事業開発・赤字部門の再生・営業力強化などに、伴走してまいりました。その経験を、地域の会社の支援に生かしています。ローカルビジネスのサポートは私の務めと考えていますので、高くは取りません。

昔は、会議の記録を取る社員もいました。今は記録や資料の整理をAIに任せ、その分、経営者との相談や現場の実行支援に時間を使えます。

話したことが現場で動き、数字に表れてくる。その変化を経営者と一緒に確かめる。うれしいと社長から電話がかかってくる。スタッフさんからLINEが飛んでくる。一緒に喜ぶ。だから、ローカルビジネスのサポートは楽しいです。

自社の集客も、売上や人件費までつなげて考えたい。そんな方は、今の課題を一言お聞かせください。

本記事は公開できる範囲で構成しており、特定の数字の組み合わせから特定の企業を特定させる意図はありません。効果の帰属については、記事内のとおり限界を明示しています。

森まりあのアイコン

代表

森まりあAI×新規自動集客® 構造設計

メーカーでの店舗立ち上げを原点に、コンサルティングファームで大手企業・行政の新規事業開発を担当。被災と起業を経て、小さな会社のための会社をつくりました。ホームページより先に決算書を読む。それが私の流儀です。